一般社団法人 日本整形内科学研究会

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【講義資料公開・報告】第13回 JNOS ウェビナー[Web Seminar] (2020年9月5日[土]開催) - お知らせ

一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2020年9月5日(土)  に第13回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたした。

これは、昨今のコロナウィルス感染拡大防止対策のみならず、従来からいただいていた、実際の集会、セミナーに参加するのが困難であるのでオンライン講座などをもっと積極的にやってほしいという要望に応えるものです。

概要:第13回 JNOSウェビナー[Web Seminar] 講義

第13回JNOSウェビナーは「鍼灸師向けベーシックセミナー1~鍼灸師のためのエコーガイド下鍼治療(US-DN)臨床でのコツ・基礎編+ちょっと応用~」をテーマに開催しました。

今回は、JNOSウェビナー初の鍼灸師による鍼灸師のためのセミナーでした。「プローブを持ちながら刺鍼って、どのようにやるの?」、「鍼灸師にとってのエコーの役割」について、実演と供に広く情報提供頂き、医師・理学療法士など多職種の方にとっても新しい発見が多い有益な内容でした。

講師の黒沢理人先生(JNOS理事、トリガーポイント治療院院長)は、当会会長の木村裕明先生とともに臨床・研究を進める本分野の第1人者の一人であり、当会木村会長とともに日本大学医学部機能形態学系生体構造医学分野の客員研究員としても活動し、解剖学的研究(リンク)の共著者として、そしてPain med(IF 3)に鍼治療によるエコーガイド下fasciaリリースの英語症例報告(リンク)も掲載されていた、エコーと鍼治療という分野において、臨床・研究・多職種連携において先活動する先駆者の一人です。また、解剖イラストの作成にも高い技術を有し、数多くのオリジナル解剖図の作成を手がけています(JNOS第1~4回ウェビナーなど)。

もう一人の講師の小林由磨先生 (JNOS正会員、鍼灸庵みがき院長)は、当会理事でもある吉村亮二先生(Bright鍼灸院院長、一般社団法人日本超音波鍼灸協会【JAU】会長)のもと研鑽を積み、エコー・鍼・多職種連携で活躍する若手ホープの一人です。その人柄と弛まぬ研鑽、そしてアウトプット力を今回のウェビナーで発揮頂きました。

  • 当日は、座長である銭田良博先生(当会理事 副会長)のもと、小林只(当会理事 学術局長)による開会の挨拶の後、約70分の講義・実演、20分の質疑応答で盛況でした。
  • 講義では、著作権への適切な配慮(引用・転載元への著者および出版社に対する許諾手続き、必要な解剖図の作成作業など)をされながら、以下の内容が展開されました。
  1. 鍼灸師はエコーで何ができるのか?
  2. 5つのプローブ操作法
  3. 2つの刺鍼方法(頚肩部のエコー解剖とエコーガイド下鍼治療(US-Dry needling)のデモンストレーション)
  4. US-Dry needlingの「ちょっとした臨床的なコツ」
  5. US-Dry needling含む勉強方法の紹介

今回、特に印象的だったのは、実技において「患者の体位を変えずに、自身の姿勢と滑らかなプローブ操作により、次々と治療していく一連の流れ」でした。注射手技に応じて、患者の体位を変えて、医師にとって最も安全かつ実施しやすいポジションをつくって、都度実施する流れとは異なり、患者が側臥位なら側臥位、腹臥位なら腹臥位のまま、多様な部位を流れるようにエコーと鍼を運用していく、その姿はもはや職人とも呼べる域でした。医師にとっても、「治療スピード」を保ったまま、治療行為を進めていくための大きなヒントになったと感じています。


動画公開:第13回 JNOSウェビナー[Web Seminar] 講義

第13回JNOSウェビナーの動画およびディスカッションは、会員限定フォーラムで閲覧可能です.

  • 講義の動画(約63分)

質疑応答[目次]:第13回 JNOSウェビナー[Web Seminar] 

  • 質疑応答・ディスカッションの動画(約23分) :目次は以下です。
    質疑応答の動画は、会員アーカイブで動画で視聴できます。

質問1)「診断」せずに「炎症」や「骨折」などの状態を、どのように患者さんにお伝えしていますか?
質問2)ゼリーの上から刺鍼しても衛生面などに問題は無いのですしょうか?
質問3)0番鍼(直径0.14ミリ)のような径の細い鍼でもエコーで描出されますか?
質問4)交差法で、深く刺しすぎないように実施し、確認するコツを教えてください。
質問5)用語について、acupuncture(ACU)を使わずdry needling(DN)を用いるのは何故ですか?
質問6)エコー使用に際して、エコー実施料金を徴収してはいけない理由を教えて下さい。
質問7)例えば厚みのある筋肉に鍼をする場合、具体的にその筋肉を貫通させるようにしているのでしょうか? または核(中心)を狙う? またあえて表面のファシアを狙う場合がある時があるならどういう場合でしょうか?
質問8)US-DN(鍼治療)fasciaリリースはどの様な機序で効果を発揮しているのでしょうか?
質問9)エコーの所見のみで得気が出る場所を把握できますか?やはり、圧痛所見を参考にエコーで見て刺入ポイントを決めますか?先生方の狙うポイントを教えていただければと思います。
質問10)プローブや立管の固定で、一番困った経験がある治療部位はどちらでしたでしょうか?
質問11)平行法で刺鍼する場合は、どのように実施されていますか?交差法で刺鍼してからプローブを回旋rotationさせる?はじめから平行法で刺鍼する?

  • 専用フォーラム内でディスカッションもあり。

入会案内 

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