一般社団法人 日本整形内科学研究会

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【報告】第2回JNOS学術集会 - お知らせ

一般社団法人 日本整形内科学研究会 (JNOS)では、2019年11月30日土曜日、12月1日日曜日に東京 高田馬場にて第2回 学術集会を開催しました。

今回は法人化後2回目の学術集会となり、メインテーマを『整形内科学が展望する多職種連携』と設定して開催されました。(プログラムおよび『抄録集』はこちら)。

2019年11月30日 (一日目)

大会長講演:講演動画あり(会員限定)
テーマ「整形内科学が展望する多職種連携の姿〜局所治療と生活サポートの融合を目指して〜」
並木 宏文(一般社団法人日本整形内科学研究会理事・北海道東北ブロック長、十勝いけだ地域医療センター センター長)

会長講演:講演動画あり(会員限定)
テーマ「最近のトピックス~アンギオソーム(Angiosome)を活用した発痛源評価と治療、束間神経上膜リリース、母指痛症候群(thumb pain syndrome)~」
木村裕明(一般社団法人日本整形内科学研究会会長・木村ペインクリニック院長)

教育講演:講演動画あり(会員限定)
テーマ「fascia概論(Fascial pain syndrome(FPS)分類基準、Hydroreleaseとhydrodissectionの差異など)~JNOS学術局の活動報告含む~」
小林只(一般社団法人日本整形内科学研究会 学術局長・会員管理局長・弘前大学医学部総合診療部)

会の初日のスタートは「大会長講演」「会長講演」「教育講演」と当会を取り巻く最新状況や本大会のテーマに関する講演が当会理事より行われました。

【特別講演】講演動画あり(会員限定)
テーマ「外科医にとっての新しいFascia像~高精細内視鏡による近接拡大視から見えてきた生体組織~」
栃木県立がんセンター 泌尿器科科長 川島 清隆 先生

続いて本学術集会1日目の特別講演は栃木県立がんセンター 泌尿器科科長 川島 清隆 先生による「外科医にとっての新しいFascia像~高精細内視鏡による近接拡大視から見えてきた生体組織~」です。

泌尿器科手術において撮影したfasciaの微細構造の画像供覧や、外科医にとっての新しいfascia像、解剖観についての考察など非常に興味深い講演でした。

2019年12月1日 (二日目)

JNOS活動報告

二日目の最初はJNOSの各組織、委員、ブロックから活動報告がありました。

一般演題(会員公募演題)

今回は一般公募演題として応募のあった、以下5件の発表がありました。

尚、講演後の厳正なる審査の結果、富山県立中央病院産婦人科 谷村悟先生 「骨盤内fasciaの構造と変化―内視鏡生体解剖学のはじまり-」が優秀賞に選ばれました。

<1>
【タイトル】エコー所見において坐骨神経の破格が原因による殿部痛と考えられた一症例
【演者】○逆瀬川 雄介1) 2)、鵜川 浩一1) 2)、銭田 良博1) 2)
【所属】1)株式会社ゼニタ銭田治療院千種駅前、2)えとうリウマチ整形外科

<2>
【タイトル】2年前から続くめまいに対しエコー下鍼治療と理学療法の併用により改善した症例
【演者】○佐藤 公一1) 、鵜川 浩一1)2) 、銭田 良博1) 2)
【所属】1)株式会社ゼニタ銭田治療院千種駅前、2)えとうリウマチ整形外科

<3>
【タイトル】アンギオソームを活用した発痛源評価とエコーガイド下fasciaハイドロリリース(US-FHR)で軽快した右上肢痛の一例
【演者】○浅賀 亮哉、木村 裕明
【所属】医療法人Fascia研究会 木村ペインクリニック

<4>
【タイトル】右手関節TFCC損傷に対する鍼灸・マッサージ治療の症例報告
【演者】○船橋 徹至、銭田 良博
【所属】株式会社ゼニタ銭田治療院千種駅前

<5> <<<優秀賞>>>
【タイトル】骨盤内fasciaの構造と変化―内視鏡生体解剖学のはじまり-
【演者】○谷村悟 、曽根原健太
【所属】富山県立中央病院産婦人科

2019年度JNOS研究助成制度 受賞者による指定演題

続いて2019年度JNOS研究助成制度 受賞者による指定演題発表が行われました。発表は以下の5件です。

<1>

【タイトル】瘢痕癒着モデルにおけるハイドロリリースの効果および新しいFasciaモデルの開発
【演者】○祐實 泰子1)、今北 英高1)、森 拓也2)、嘉摩尻 伸1)*、額賀 翔太2)​
【所属】1)畿央大学大学院 健康科学研究科、2)奈良県立医科大学

<2>
【タイトル】ファシアハイドロリリース可視化のための連続せん断波エラストグラフィーの開発
【演者】○山越 芳樹1)、木村 裕明2)
【所属】1)群馬大学大学院理工学府、2)医療法人Fascia研究会 木村ペインクリニック

<3>
【タイトル】Fasciaの解剖学的ハイブリッド解析
【演者】荒川高光1)、〇銭田良博2)、谷掛洋平3)
【所属】1)神戸大学大学院保健学研究科・リハビリテーション科学領域、2)株式会社ゼニタ、3)谷掛整形外科

<4>
【タイトル】Fasciaの肉眼解剖学的および組織学的検討およびエコーガイド下fasciaハイドロリリースによる薬液の広がりの検証
【演者】○黒沢理人1)2)、木村裕明2)3)、銭田良博2)4)、銭田智恵子2)4)、洞口敬5)、小林只2)6)
【所属】1)トリガーポイント治療院、2)日本大学医学部機能形態学系生体構造医学分野、3)木村ペインクリニック、4)銭田治療院千種駅前、5)日本大学病院整形外科、6)弘前大学医学部附属病院総合診療部

<5>
【タイトル】関節リウマチ患者の、関節エコーで炎症を伴わないMTP関節痛に対するエコーガイド下ファシアハイドロリリースの効果の検証
【演者】○須田 万勢1)2)、村中 清春1)2)、蓑田 正祐1)2)
【所属】1)諏訪中央病院総合診療科、2)諏訪中央病院リウマチ膠原病内科

2019年度JNOS研究助成制度 授賞式

つづいて2019年度JNOS研究助成制度の対象研究に対する授賞式が行われました。

総括

今回も外部からのお招きをさせていただいた講師の方々の講演や、多職種の会員プレゼンテーションなどから、今後のJNOSの目指す方向が、色々な側面から共有、議論ができた非常に有用な場となりました。

今後も、今回のようにより深い情報交換を行うことにより、整形内科学、及びFasciaに関係する運動器疼痛および難治性疼痛等における診療・学術・教育・研究の発展に寄与してゆく所存です。

本学術集会の運営にご協力をいただいたMSKメディカルサポート株式会社様東洋レヂン株式会社様キヤノンメディカルシステムズ株式会社様コニカミノルタ株式会社様日本シグマックス株式会社様、セイリン株式会社様、を始めとする、全ての関係者の方々へ、この場を使い感謝の意を表させていただきます。

日本整形内科学研究会 -JNOS-では、今回のような学術集会を始めとする場で、痛みに関する理解を深め、治療技術の発展の為、ともに研究を行う治療者、研究者を募集しています。詳細は「入会について」を参照願います。

尚、2020年度の第3回JNOS学術集会(大会長:洞口敬)は、2020年11月28日(土),29日(日)に東京で予定をしております。