一般社団法人 日本整形内科学研究会

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第117回 ウェビナー [治療技術の学習] 最先端シリーズ 第14回 副筋論文から読み解く、FHRの治療ポイント - お知らせ

第117回 ウェビナー 最先端シリーズ 第14回 副筋論文から読み解く、FHRの治療ポイント

一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2026年1月24日(土) に第117回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたします。

今回のテーマは治療技術の学習として「最先端シリーズ 第14回 副筋論文から読み解く、FHRの治療ポイント」となります。

 

【抄録】

本日は、2025年度学術支援制度受賞のテーマ「ファシアメモリー仮説(リンク)」について、第8回日本整形内科学研究会学術集会、第6回日本ファシア会議でのご発表後の深化について紹介頂きました(リンク)。今回は、「ファシアメモリーリセット仮説』と「副筋」の関係性を踏まえて、紹介します。

【背景】
超音波ガイド下ファシアハイドロリリース(FHR)は、生理食塩水等の薬液注入によりファシア(筋膜)を物理的に剥離・弛緩させる手技であり、即時的な鎮痛効果と可動域改善をもたらす。しかし、数分から数十分の一過性の物理的介入が、なぜ数ヶ月に及ぶ長期的な症状改善(組織の恒久的な変化)につながるのか、その生物学的メカニズムは未解明であった。本講演では、この「時間的ギャップ」を説明する新たな理論的枠組みとして『ファシアメモリーリセット仮説』を提唱する。

【ファシアメモリーとStacking Fascia】
ファシアは過去の機械的ストレス(Mechanical Stress)の履歴を、構造的な変形や硬化として「記憶」する能力を持つ。この物理的実体が、超音波画像上で白く分厚い重積像として観察される「Stacking Fascia(重積したファシア)」である。
解剖学的変異である副筋(例:腋窩弓、鎖骨挙筋など)の存在は、組織間の物理的干渉を増大させ、Stacking Fascia形成の要因となる。しかし副筋がなくとも、不良姿勢や反復動作による過負荷は同様の病態を形成する。これらは単なる癒着ではなく、機械的ストレスに対する組織の防御反応の結果である。

【分子メカニズム:YAP/TAZ経路とエピジェネティクス】
本仮説の中核となるのが、メカノトランスダクション(機械的刺激応答)の主要因子である「YAP/TAZ経路」である。

  1. 記憶の形成: 組織が機械的ストレスにより硬化(ECM剛性増大)すると、YAP/TAZが細胞核内へ移行し活性化する。これにより線維化関連遺伝子が発現し、コラーゲン産生が促進され、組織はさらに硬化する(線維化の悪循環)。この状態がエピジェネティックな変化として細胞に固定されることが「ファシアメモリー」の正体である。

  2. 疼痛の発生: 組織の硬化は、機械感受性イオンチャネル「Piezo2」を活性化させ、本来の触覚受容を痛覚(アロディニア)へと変容させる。

【FHRによるリセット機構】
FHRは単なる物理的剥離にとどまらず、以下のプロセスを経て組織記憶をリセットする生物学的介入であると再定義される。

  1. 物理的介入: 薬液注入によりStacking Fasciaを層状に分離(機械的分離)。

  2. 剛性の低下: 局所の張力と組織剛性が劇的に低下(Stress Relaxation)。

  3. シグナルの遮断: 足場が柔らかくなったことを細胞が感知し、YAP/TAZが核外へ排出され不活性化する(逆メカノトランスダクション)。

  4. リセット: 線維化プログラムが停止し、病的なエピジェネティック状態が解除され、組織の恒常性が回復する(ここがNew!)

【結語】
「構造的変化は不可逆的である」という従来の通念に対し、本仮説は「エピジェネティックな記憶は可逆的である」ことを示唆している。FHRは、組織の機械的環境を急激に変化させることで、病的な細胞応答(ファシアメモリー)を「リセット」し、正常な状態へと導く治療法として位置づけられる。この概念は、CRPS(複合性局所疼痛症候群)や術後疼痛症候群などの難治性疼痛治療において、新たなブレイクスルーとなる可能性がある。

 

 

開始は20時00分となりますのでご注意ください。(参加開始は19時40分)

詳細は下記をご参照ください。多くの方のご参加をお待ちしております。

第117回 JNOSウェビナー[Web Seminar]

日時2026年1月24日(土) 19:40(参加開始) 20:00(ウェビナー開始) 21:30(終了)    

  • セミナー開始は20:00になります。
  • 19:40-20:00は全員のの機材調整・使用方法説明の場となります。
必要環境
  • Windows PC , Mac, スマートフォン, タブレットなどzoom ウェビナーに接続ができる端末
  • 使用ソフト:zoom 
  • 事前にZoomの動作確認をした上でご参加ください。
  • 詳細の接続方法等は参加受付後に個別にメールいたします。
定員
  • 80名 (先着順)
費用
  • 会員:無料
  • 非会員:5,000円(税込み)
    • 当会は適格請求書発行事業者登録ではありません。
参加申込開始・締切
  • 開始:受付開始済
  • 締切:2025年1月21日(水)20時 
主催一般社団法人日本整形内科学研究会(Japan Non-surgical Orthopedics Society; JNOS)
参加資格
  • 以下のいずれか
    • 当会会員
    • 当会非会員の医療系資格所持者
タイムスケジュール(予定)
  • 講義 60分
  • 質疑応答 30分
申し込み方法
  • 会員と非会員で申込み方法が異なりますので、ご注意下さい
    • JNOS会員:会員専用コミュニティーサイトからお申込み
    • JNOS非会員:専用予約システムからお申込み(クレジットカード決済)
その他
  • 以下に、ご了承の上でお申し込みください。
    • 参加者による、セミナーの静止画/動画撮影、録音は禁止です。
    • セミナーの内容はJNOSにて会員の学習資料として収録され、後日会員フォオーラムに掲載予定です。また、収録動画は編集後に配信・販売される可能性があります。
    • 機材の不具合等により正しく試聴ができない場合などの補償はございません。
    • 必ず前日までに機材の事前準備・確認をしてください。
    • 一台のPCで参加登録された複数の方がセミナーに参加・視聴することは可能ですが、参加登録されていない方は参加・視聴することはできません。
    • 一人の参加者が複数のデバイス(例:windows と Mac)で接続することはできません。
    • 申し込み後に欠席される場合は、必ずキャンセル処理(又は事務局への連絡)をお願いします。無連絡の欠席は今後のイベント申し込み時の承認可否判断に反映されます。
    • 内容は都合により予告なく変更する場合があります。予めご了承ください。
問い合わせ先一般社団法人日本整形内科学研究会 お問い合わせフォーム