一般社団法人 日本整形内科学研究会

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【開催報告】第80回 ウェビナー [治療技術の学習] 最先端シリーズ 第4回 フープ機能から再考する変形性膝関節症の新しい治療法、 末梢神経に対するパッシブリリース(坐骨神経を例に)(2024年1月13日開催) - お知らせ

【開催報告】第80回 ウェビナー [治療技術の学習] 最先端シリーズ 第4回 フープ機能から再考する変形性膝関節症の新しい治療法、 末梢神経に対するパッシブリリース(坐骨神経を例に)(2024年1月13日開催)

一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2024年1月13日(土) に第80回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたしました。

そこで、今回は「治療技術の学習」分野をテーマに、「最先端シリーズ」の第4回でした。

【第1回目(2023年6月10日):テーマは血管リリース、脊椎の黄色靭帯リリース】血管と痛みの関連性について、血管リリース(血管周囲のハイドロリリース)の適用と実践を扱いました。末梢神経をターゲットとした治療では辿り着けない領域を可視化し、治療戦略を提案しました。事例としては、 足底腱膜炎や外側上顆炎などの局所の炎症性病態への適用、そして黄色靭帯リリース(FF Point)にまで新しい手技が提案されました。第1回目の報告

【第2回目(2023年8月19日):テーマは血管リリース、肩関節と膝関節のパッシブリリース】血管リリースについては、動注治療や血管内カテーテル治療の考案者である奥野先生と木村先生の対談内容も含めてディスカッションしました。また、パッシブリリースは、コンビネーションの新しい技術 1)注射+徒手 2)鍼+徒手 3)物療+鍼 いろいろとして、リリース治療の分野を新しいステージへ発展させる新しい治療技術です。注射のあと、リハビリ室で徒手、という順番に実施するのではなく、「その場で注射と徒手を同時に実施する」という技術です、授動術をより安全に実施する技術分野として位置づけています。今回は、肩関節と膝関節を紹介しました。(第2回の報告

【第3回目(2023年10月21日):テーマは、顎動脈リリースと翼口蓋神経節、股関節のパッシブリリース、プロロセラピー】顔面や頚部の慢性疼痛の治療として、翼口蓋神経節ブロックがありますが、実施難易度が高い課題がありました。今回は、顎動脈と翼口蓋神経節の解剖構造から、顎動脈周囲へのハイドロリリースで対応できる考案(2023年6月 木村裕明先生考案の新しい手技)と症例報告がありました。股関節のパッシブリリースについては、第2回エキスパートセミナーでも披露しました診察動画と治療動画を供覧しつつ具体的なコツについてレクチャーがありました。プロロセラピーは、濃度と対象部位(関節内、関節外)について、システマティックレビュー・メタアナリシスの論文(Dextrose prolotherapy in knee osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis, J Clin Orthop Trauma. 2021)をもとに、ハイドロリリース、プロロセラピー、パッシブリリースの組み合わせや適応についてディスカッションしました。また、小ネタとして「27ゲージ注射針を扱うコツ」も話題提供ありました。第3回の報告

【第4回目(2024年1月13日)】

2024年初ウェビナーを記念して、今回は「末梢神経」のパッシブリリースについての実践と臨床成績については初公開です。コンビネーションリリースという新しい概念(リンク参照)と、その中の1つであるパッシブリリースという位置づけでの技術紹介をしました。また、半月板のフープ機能から整理する新しい膝関節外治療戦略という、ハイドロリリース、プロロセラピー含めた多様な治療手技を統合した治療指針も提案しました。(第4回の報告

スケジュール(予定)は以下です。ご参考ください。

第1回(2023年6月10日)第1回の報告
 ・血管リリースの概説、ハイドロリリースのさらなる発展と適用
 ・脊椎の黄色靭帯リリース(FF pointの治療:2023年4月木村裕明先生考案):椎間関節と硬膜外と神経根と周囲ファシアの一括治療注射
第2回(2023年8月19日)第2回の報告
 ・血管リリースの適応と有効性を考える。動注治療・血管内カテーテル治療との比較。
 ・パッシブリリース:肩関節、膝関節
第3回(2023年10月21日)第3回の報告
 ・27ゲージ注射針を扱うコツ
・顎動脈リリースと翼口蓋神経節リリース(2023年6月 木村裕明先生考案)
 ・パッシブリリース:股関節
 ・プロロセラピー:適応と発展
第4回(2024年1月13日):(第4回の報告
 半月板のフープ機能から整理する新しい膝関節外治療戦略 
 ・末梢神経のパッシブリリース(坐骨神経)
第5回(2024年2月17日):
 ・末梢神経に対するパッシブリリース② 手根管、足根管、腕神経叢ほか
第6回(未定)
 ・黄色靭帯LFDの治療手技と研究状況(脊髄血流の増加)
 ・腰部神経根挟み撃ち作戦
 ・Deep gluteal syndrome
 ・採血後CRPSに対する血管リリース
 

講義動画は会員公開:第80回 JNOSウェビナー

第80回JNOSウェビナーの動画およびディスカッションは、会員限定フォーラムで閲覧可能です。

  • 講義+ディスカッション 90分

2022年夏より開始した、当会ウェビナーの目玉でもある、リアルタイムチャット(並列解説)のテキストについても、アーカイブで共有するようにしました。是非、臨場感を感じて頂ければ幸いです。ライブ参加も、どんどんブラッシュアップしていますので、楽しみに下さい。

以下、チャットの例

  • 眼窩上神経ブロックの位置で実施する場合は、針は30ゲージがおすすめです。
  • このアプローチは非定型顔面痛、翼口外神経節の刺激とされる痛みに効果はありますか?
  • Fasciaをリリースすることを目的としているのですか?結果的に血管をリリースして血流回復を目的にしているのですか?場合のより神経もリリースすることまでも狙っているのですか?
  • 神経と血管は、伴走していない場合もけっこう多いです。そして、神経を狙うときも、血管は避けるべき構造として注射・穿刺される傾向がありますので、意識して動脈周りを攻めないと、治療されてないことが多いです。
  • 臀部の痛みでfasciaリリースするひとがいるのですが、もともとなのか、痛くて運動しないのか、お尻の筋肉がぺったりして筋肉が薄い人は効果が薄い気がします。このような人には血管リリースをねらうとよいのでしょうか?このような人にもプロロセラピーが効果があるのでしょうか?
  • 徒手の場合もパッシブリリースのようにストレッチしながら押圧すると、単に押圧するよりも効果があるのでしょうか?
  • 物療と徒手の組み合わせて、深部の治療も可能かもしれません。

 

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