第112回 ウェビナー [治療技術の学習]最先端シリーズ 第14回 ハムストリング肉離れ後の症状(慢性期・後遺症)、膝関節伸展障害へのパッシブリリース
一般社団法人 日本整形内科学研究会では、2025年9月20日(土) に第112回 JNOSウェビナー[Web Seminar] を開催いたします。
11月23日 「第8回 学術集会・第7回日本ファシア会議」もよろしくお願いいたします!
テーマは最先端シリーズの第14回で「ハムストリング肉離れ後の症状(慢性期・後遺症)、膝関節伸展障害へのパッシブリリース」となります。
(第1回目, 第2回目, 第3回目, 第4回目、第5回目、第6回目、第7回目、第8回目、第9回目、第10回目、第11回目、第12回目、第13回目)
- 講師
- 木村 裕明 先生(日本整形内科学研究会 理事、木村ペインクリニック院長(群馬県前橋市))
- 堀米 秀法 先生 (日本整形内科学研究会 会員、木村ペインクリニック (群馬県前橋市), 鍼灸師・柔道整復師)
- 田島 雅大 先生(日本整形内科学研究会 理事、木村ペインクリニック (群馬県前橋市)、理学療法士・鍼灸師)
- 司会・座長
- 小林 只先生(日本整形内科学研究会 理事・学術局長、弘前大学総合地域推進学講座 講師、株式会社アカデミア研究開発支援 代表取締役社長、1級知的財産管理技能士、総合診療医
目次:前回(第13回目)のウェビナーの続きです。今回は、B,Cを予定しています。
- 腰下肢痛に対するFasciaハイドロリリース
- 坐骨神経痛様症状
- ハムストリングス肉離れ慢性期 ver02
- 膝関節伸展障害に対して
抄録(前回・第13回と共通)
本講演では、Fascia(筋膜)へのアプローチによる痛みの治療、特に超音波ガイド下で行う「ハイドロリリース」の理論と臨床応用について、最新の知見を交えて詳細に解説する。
1. 治療の基本機序と応用
まず、治療の根幹をなす考え方として、神経周囲に分布する栄養血管(vasa nervorum)の血流改善が神経機能の回復に重要であると指摘。Fasciaのリリースにより、圧迫や滑走不全が改善され、栄養血管の血流が増加する可能性を超音波画像を用いて視覚的に示した。この理論に基づき、突発性横隔神経麻痺の症例に対する横隔神経周囲のリリース手技を紹介し、その知見を応用して、横隔膜と連続する腰方形筋などへのアプローチが難治性の腰背部痛治療にもつながることを示する。2. 腰下肢痛に対する具体的なアプローチ
講演の後半では、腰下肢痛の主要な3つの病態に対する具体的な治療戦略が述べられた。
坐骨神経痛様症状: 骨盤の安定性に関与し、坐骨神経と近接する仙棘靭帯・仙結節靭帯に着目。これらの靭帯へのハイドロリリースが、痛みの緩和に有効であることを解剖学的な見地から解説した。
ハムストリング肉離れ慢性期: 最新の研究論文を引用し、損傷後の治癒過程で生じるFasciaの硬化が、機能障害や痛みの遷延化の要因であると指摘。損傷タイプ(BFLH-ST complex損傷、SM損傷など)に応じた詳細な超音波評価に基づき、筋肉間や神経周囲の滑走性を回復させるためのハイドロリリース手技の重要性を強調した。
変形性膝関節症(Knee OA)における膝伸展障害: KOAの病態を、膝のクッションである半月板の「フープ機能」の破綻と、それに伴う半月板の逸脱(MME)という力学的ストレスの観点から分析。Knee OA、膝伸展障害、MMEが相互に影響し合う「悪循環」の存在を指摘した。
3. 新しい治療戦略の提案
最後に、これらの知見を統合し、Knee OAに対する新しい治療アルゴリズムを提案。超音波を用いて膝の伸展制限、MME、フープ機能の状態を動的に評価し、その結果に応じて、組織を緩める「ハイドロリリース」と、靭帯などの結合組織の再生・強化を促す「プロロセラピー」を的確に使い分けるという、包括的かつ個別化された治療法の有効性を示し、今後の展望を語った。
開始は20時00分となりますのでご注意ください。(参加開始は19時40分)
詳細は下記をご参照ください。職種を問わず多くの方のご参加をお待ちしております。
第112回 JNOSウェビナー[Web Seminar]
日時 | 2025年9月20日(土) 19:40(参加開始) 20:00(ウェビナー開始) 21:30(終了)
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参加申込開始・締切 |
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主催 | 一般社団法人日本整形内科学研究会(Japan Non-surgical Orthopedics Society; JNOS) |
参加資格 |
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申し込み方法 |
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問い合わせ先 | 一般社団法人日本整形内科学研究会 お問い合わせフォーム |